casual comfort

PROFILE

「何気ない心地良さ」をコンセプトに、感じたままをシンプルな言葉で歌うcasual comfort。中央線沿線を中心に活動する、ピアノ・ギター弾き語りデュオ。

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はじまりのうた

『はじまりのうた』を作った時のことは、今でもよく覚えている。
夏だった。おととしの7月。
まだcasual comfortは存在していなかった。
単に友達に、友達の友達(つまり他人)である神谷さんを紹介され、「せっかく同じようなこと(作曲など)やっているんだから、一緒に曲を作ってみたら?」と提案され、私は言われるがままにそこで歌っただけだった。
神谷さんがギターを弾いて、そこにメロディをつける。
「Bメロは落としたい、Aメロが明るいから。ガラっと変えたい」
と私が言うと、
「こう?」
神谷さんはすぐに、コードを変える。
「もっと暗く」
「もっと?こんな?(笑)」
「そうそう、そんな感じ」
誰かと一緒に音楽を作ったことなんかなかった。新鮮な感覚。楽しかった。


その頃私は、音楽を続けていくか就職するか、岐路に立っていた。就職活動はしてみた。レコード会社の説明会に行った。「新人発掘、制作、販売」などの話を聞いた。私がやりたいのは「そっち側」ではない、と思った。思った、と書いてしまうと伝わらないかもしれない。"爆発的に"思ったのだ。「違う、そっちじゃない。私は"表現する側"だ。」と、身体全体で感じた。

歌っていたい。
でも私は歌が下手だ。ピアノだってそんなに弾けない。
けれど私には、自分の感じたことを表現することが必要だった。
経験したこと、感じたこと、周りの人たちからもらった愛情、そういうものが、自分というフィルターを通して、音楽という形で表現される。それは私にとってものすごく自然なことで、当たり前だったから、疑問を持ったことも無かった。
歌が下手だとか、ピアノが弾けないだとか、そういう問題じゃなくて、自分の中から込み上げてくる音楽をとにかく表現したい。それだけだった。


神谷さんと作ったその歌には、まだ歌詞も曲名もなかった。
でもサビのメロディだけは、「たった一歩でも」という歌詞つきで出てきた。私がその時表現したかったこと。それは自分自身が抱える大きな不安と、それでも変わりたい、前に進んでいきたい、という気持ち。


たった一歩でも 踏み出せたなら 変われるの?
あなただけが 知っているような 気がするの



結局は、自分自身がやるか、やらないか。すべてはそこにある。
だから最後は、「あなたの手を離れて歩いていかなきゃいけない」のだ。

『はじまりのうた』は、とても大切な歌。私の背中を押してくれた歌。この曲があったから、casual comfortができた。神谷さんと巡り合わせてくれた友達に感謝しているし、何より私の中からこの曲を引っ張り出してくれた神谷さんに感謝している。ありがとう。

決して明るい歌じゃない。あれから数え切れないほどこの歌を歌ってきたけど、歌に込めた気持ちを本当に正確に歌えた時は何回あっただろう。それが聴いている人に伝わったことは何回あっただろうか。
私はあれほど感じていた「表現したい」という爆発的な思いを、100パーセント出し切れたことはあっただろうか。
もう一度見直してみようと思う。


2008-05-13 03:53:00投稿者 : 佳奈
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コメント一覧
guest
大切なことですね…

聴かれる方の想いをも感じ受けとめ、今後も歌い続けてくださいね(^^)v
投稿者 MM21   2008-05-13 10:40:51
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